東京高等裁判所 昭和31年(う)1611号 判決
被告人 裴丙孝
〔抄 録〕
ところで、刑事訴訟規則第四四条第一項第三〇号に公判調書に記載を要する事項として掲げられているのは、「判決の宣告をしたこと」であつて、すなわち同規則第二一九条のいわゆる調書判決の場合は格別、通常の判決宣告調書には、判決の宣告がなされた旨を記載するのであつて、いかなる内容の判決が宣告せられたかを記載することを要するものではない。しかも、公判調書と判決書とは作成者を異にする別個の書類であつて、判決書が公判調書に添付せられるべきものではないから、両者の間に割印のないのはもとより当然のことであつて、ただ判決書はその宣告調書の次に編綴し、判決書の欄外には裁判所書記官がその宣告の年月日を記載押印して宣告調書との関連を明確にするのを事務上取り扱いの通例としているところである。であるから原審宣告の判決それ自体を公判調書において確認することができない違法があると主張する控訴趣意第一点の所論は排斥するの外なく、該論旨は理由なきものである。
(中野 尾後貫 堀真)